東京高等裁判所 昭和45年(ラ)705号 決定
原決定が被申請人会社に対し処分を禁止した物件中に抗告人の主張の物件が含まれていることはその主張のとおりである。
しかし、会社更生法第三九条第一項前段による保全処分は、会社更生手続開始の申立より開始決定がなされるまでの間における会社の放恣な経営または財産の隠匿等を防止し、その現状を維持し爾後における円満な更生手続の進行をはかるためになされるものである。原決定は右の趣旨で抗告人主張の物件その他会社財産について占有の移転を含む一切の処分を禁止したものであるから、かりに右物件が抗告人の所有であるとしても(本件ではその疏明もない)、原決定により右抗告人の所有権に何らの影響を及ぼすものでないことは明らかである。
そうすると、抗告人は会社更生法第一一条にいう原決定につき法律上利害関係を有するものに該当しないものと解するを相当とするから、抗告人は本件抗告につきその適格を有しないものといわなければならない。
(石田哲 杉山 小林定)